生き物は気持ちを察する
おはよっぴー!
今日も魚の配送のアルバイトでの経験です。
私の配送ルートでは、伊勢海老を配送することが多くありました。
高級食材で、しかも生きたまま運ぶため、配送先のお店に納品する際は、復路に移し替えて運びます。
これがまた大変でした。笑
伊勢海老がとてもイキがいいので、掴もうとすると体全体をバネのようにしてバタバタ跳ねます。
しっかり掴んでいないと手から離れて地面に落下してしまうのです。
高級食材ということもあって、極力その状況は避けなければいけません。
しかし、抵抗する力はとても強く、伊勢海老を握っている部分の私の手と伊勢海老の硬い皮膚が擦れて私の指から血が出ることも多くありました。
負傷と回復を繰り返してこの1ヶ月で私の指先の皮膚は硬く分厚くなりました^ ^
そんなこともあってか私は伊勢海老を怖がるようになりました。
伊勢海老を納品する際に袋に移し替える時、いつも伊勢海老と目が合います。
とても強い目で睨んでいるように感じました。
「食べられてたまるか」とでも言っているかのようでした。
私が伊勢海老を怖がっているのを伊勢海老側もわかっているようでした。
毎日この時間は伊勢海老と私の喧嘩の時間でした。
私も、体の大きなもの、皮膚がごつごつのもの、触角が長いもの、イキが良さそうなものなど、掴む前に相手の力量がなんとなくわかるようになりました。
伊勢海老はハサミなど、攻撃するものがないので、尻尾でパタパタする力が強いんだと思います。
いつも抵抗力は抜群です。
しかし、先輩がやると、伊勢海老はすんなり袋に移し替えられます。
その先輩は少し強面で、目力が強いです。
伊勢海老も相手との力量の差を感じ取っているように感じました。
その日から私は伊勢海老を殺すくらいの勢いで睨んでみることにしました。
すると不思議なことにいつもは目も離さずに睨んできた伊勢海老が目をそらして後ろに下がっていきました。
すかさず掴むとその日はあまり抵抗せず、おとなしく袋に入って行きました。
今まで伊勢海老にも私の伊勢海老への恐怖心を読み取られていたのだと思います。
野生の本能でしょうか。
しかし、このアルバイトの1ヶ月間、毎日伊勢海老と生死の戦いをして感じたのは生き物には気持ちを察する能力があるということです。
人間も言葉を出さずとも緊張や不安などはなんとなく伝わりますよね。
それに似たものが生き物にも備わってるんだと思います。
納品された生き物は私たちの食材になります。
命をいただいて私たちが生き長らえています。
命に感謝してご飯を食べたいですね。
ばいばいぴー!
令和元年6月23日